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残業考…。

先日、国内最大手の広告代理店「電通」の社員が自殺した事件が報じられた。

この方は東大卒業後の昨年4月の電通に入社。
本採用となった10月以降、インターネット広告などを担当し業務が増加して、
11月上旬にはうつ病を発症したとみられている。

残業考02

12月25日、世間がクリスマスを迎えた日に、都内の社宅から投身自殺。
発症前1カ月の残業時間は月100時間を超えて、2カ月前の約40時間から倍増していたらしい。
自殺の原因は精神が過労やパワハラに耐え切れなかったことだそうで、
単に残業時間が問題視されているわけではない。
明らかに周囲の同僚や上司の心無い接し方が、彼女を“社宅”からの投身自殺に追い込んだのだろう。

残業考05

一方、この報道を受けて武蔵野大学の教授が、
「月当たり残業時間が100時間を超えたくらいで過労死するのは情けない。
自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意志があれば、残業時間など関係ない。」
とこれまたよく事情もわからない無責任な立場から発言をし、Twitterで炎上した。
プライベートな場で無責任に言うならまだしも、
大学教授というそれなりに知性を有しているであろう人物が、Facebookでこういう発言をする…。

普通の感受性では考えられないと思うが、でも彼女の同僚や上司、武蔵野大学の教授。
こういう人たちが世間には大勢いるというのが現実である。

この事件、「残業」という計数化できる原因が報道の端を発したが、
実際にはもっともっと奥深い、現代の恐ろしい病理を現していると思う。


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スライド6  wrote by 玉下奴郎

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この記事へのコメント

- 宝香 - 2016年10月16日 22:18:36

はあ〜。それはそうなんですけど、
こういうことが明るみに出て、是正されると、しわ寄せは一気に下請け、
孫請けにくるわけで、実際にエラい目にあう人間は倍増です。
それはいつまでもどうにもならない。それが現実。

- 玉下奴郎拝 - 2016年10月17日 07:07:52

文句を言えない人(部下とか下請けとか孫請けとか...)にしわ寄せが行くのが、
世の常ですね。
要は人の痛みをわかるか否か...。

問題は時間じゃないと思います。

生きる! - Mrs.PIE - 2016年10月17日 08:50:29

漁業・農業・林業
運送業・飲食店
どこもここも。

ときには、真冬の海の上で、深夜。老人がひとりぼっちで。
ときには、真夏の炎天下、老婆が畑で
ときには、嵐の中を高速道路で。朦朧とする意識の中で。

みなさま、お疲れ様。

- しょうが - 2016年10月18日 11:43:51

玉下様、ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいますか?

さて、米国では(少なくとも私が知る限り)「残業=時間内に仕事ができない人=能力不足」となります。残業続きは評価が悪くなる対象で、こういう人は上司から改善を要求されます。そして改善されなければ減給になったりクビになったりします。役職になれば週40時間勤務では収まらなかったりしますが、それでもプロジェクトが終わったり時間的に余裕があればランダムに休みをもらったりそれなりに融通しています。
日本の「残業=当たり前」、「定時で帰宅=ハラスメント対象」文化は間違っていますね。戦後間もない頃、どうしても頑張って頑張って頑張って国を建て直さなければ行けない時ならわかりますが・・・それとも、日本はまた国を立て直さなければいけない危機に立っているのでしょうか?

カネのためなら! tte? - Mrs.PIE - 2016年10月18日 21:39:21

残業手当0!

ある地方出版社の社長は
 仕事ができる社員は時間内に仕事を終える
 仕事に手間取る社員は時間内に終わらずに残業をする
もし、残業代を出せば?
 仕事ができない社員の方が高額の収入を得る
 それは道理に反するので
 うちは、いつ出社してもいいしいつ帰宅してもいい。
 タウン誌(月刊)をきちんと発刊してくれれば、文句は言わない
って。

その説明を聞いたとき、そうか、、、そうよね、、、って、納得しました。
今でも、社長はそんな感じの経営をしていて、社員はきついといえばきつく、自由といえば自由。仕事の量と質が適切に管理されているからできるのでしょうが、、、
ときにはトラブルに見舞われ戦場になることも。

修羅場になるのは、超大手でも?
そこから、富士が見えるようですが、、、昔々、先代のとき、勤務時間は自己申告だったこともあったんですって?

名誉・地位・カネ
そこから何を引いて、何を足すか

残業という切り口で企業活動を評価するのは一面的。
うちのオフィスだって、帰宅して、翌日のカンファレンスの資料作りを深夜まで、なんて普通にありますものね。

今朝も、わたくしは出かける前の早朝に一時間ほど。
どちらさまも、お疲れさま。

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