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「百日紅」杉浦日向子著を読んだ。

百日紅

きっかけはアニメ映画だった。
好きな俳優の杏と松重豊が主役の声優をする。
題材は浮世絵師の北斎とその娘で、主題歌は椎名林檎。
まぁ、これくらい興味がある要素があるのなら、映画館へ行けば良いのだが…。
こればっかりはタイミングが合わなければ仕方がない。

その点、本は良い。自分の都合で読み進められる。
時間や場所を問わないし、読み飛ばしも読み返しも自由にできる。

それにしても、この作家を全く知らなかった。
調べると1958年生まれ。2歳ほど年長だった。
だった、というのは既に早逝しているからである。
職業は、本職はなんだったんだろう。
先ず「百日紅」はマンガである。
でもエッセイも色々と書いているし、江戸文化の研究家としてテレビにも出ていた。
世事に疎い昭和9年生まれの母も、彼女を知っていた。
NHKによく出ていたらしい。

すぎうらひなこ

「世界中を船旅するって言って、番組を降りたのよ」
母は好きな有名人のエピソードを嬉しそうに、でも残念そうに語った。

しかし真実は違っている。
彼女はその時、既に癌という病魔に冒されていた。
闘病のための番組降板を、世界旅行という理由で発表したのである。
江戸文化の研究家は、その死に様まで江戸っ子だった。

ちなみにこの話を教えてくれたのは、我がカミさん。
いやぁ、オトコがボォ~としている間に、如何に女性は様々な知識を身につけているのか。

更にちなみに、かつては荒俣宏と婚姻関係だったとのこと。
こちらは早々に離婚してしまい、その後は独身だったらしい。
北斎や国芳と現代のオトコを比べてしまい、結婚のハードルが高くなったのかも知れない。
一方の荒俣宏は離婚後にスチュワーデスさんと再婚。
人生、わからないものだ。

 

さて肝心の「百日紅」、面白い。面白い。
主役は娘のお栄なのだが、ほぼ父親と二人暮し。
母親や兄弟も登場するが同居はしていない。
この二人の日常生活が、即ち江戸文化の具現化。
ちょっとした言葉遣いや仕草、立ち寄る店や食べ物。
池波正太郎の小説もつぶさに江戸文化を描写しているが、活字とマンガの違いは歴然だ。
※どちらが良いとかいう話ではないです。

残念なのは、続編が読めないこと。
恐らく彼女の頭の中では、北斎とお栄の残した多くの作品から、二人の日常生活の会話が聞き取れていたのだろう。

大瀧詠一にしても同様だが、脳みその中身が消失してしまう。
これが何とも口惜しい…。

「百日紅」、読んだら無性に浮世絵をじっくり鑑賞したくなった。


【本日の一曲】
ということで、映画「百日紅」の主題歌を含む予告編です。
「最果てが見たい」by 椎名林檎



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スライド3  wrote by 玉下奴郎 ブログランキング・にほんブログ村へ ブログランキング

この記事へのコメント

- うさまゆ - 2015年05月20日 20:24:32

玉下さんが色々なジャンルに造詣が深いのは、周りの方々の影響もあるのでしょうかね。

はたまた、タマゴガサキカニワトリガサキカ…

何にせよ、これからも多種多様なネタ、楽しみにしております♪

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Author:一九六丸
書き手 1.玉下奴郎 2.ランシン
3.小李富(編集担当 旧名1961_TM)
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