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『シェフ~三ツ星フードトラック始めました~』を観た

相変わらずバタバタした日々を送っているけど、
出来るだけ映画館で映画を観ようと思っている中、『シェフ~三ツ星フードトラック始めました~』を観た。
今回は関連作品も含めた雑文です。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました (公式HP)

オーナーの望む創造性の乏しい料理作り拒否し、
フードトラックで商売を始めた一流料理人の主人公は、再出発で料理や人生への熱意を取り戻そうとする。
これは料理というフィールドを使ったヒューマン・ストーリー。

味覚や嗅覚を映像で表現するのは難しい。
観客に香りや味を想像させる必要がある。

昨年公開された『マダム・マロリーと魔法のスパイス』は、この表現に挑戦した正統派料理映画。
ミシュラン一つ星を誇る老舗フレンチ・レストランの向かいに、インド人一家がレストランを開店した。
一家の次男は亡き母からスパイスを受け継いだ天才料理人で、店は人気となる。

マダム・マロリーと魔法のスパイス

ヘレン・ミレン扮する老舗フレンチのオーナーとしては、
賑やかなインド音楽と強烈なスパイスの匂いが、繊細さを守るフレンチにとって迷惑極まりない。
その険悪な関係がシンプルなオムレツで一変。
あるきっかけで次男が作った秘伝のスパイス入りオムレツを食べたヘレンは、
たった一口だけで無言になり静かに涙を流すのである。

長年のフレンチ料理店のキャリア。
メニューを管理してきた味覚への自信。
一つ星のプライド。
繊細さのかけらもないと信じていたインド料理への偏見。
それらを一瞬にして消し、涙まで流させる味。
観客は想像を絶する味を想像せざるを得ない。
名優ヘレン・ミレンの無言の涙は必見である。



2006年公開の『パフューム ある人殺しの物語』は香りがテーマ。
18世紀のパリを映す冒頭は丁寧に当時の市場を見せる。
野菜や果物や鮮魚…。やがてカメラは路上のゴミまで映し出す。
そこには腐乱した肉や魚もある。
観客はいつの間にか刺激の強い香りや臭いを想像してしまう。
視覚が嗅覚を刺激する瞬間だ。
『シェフ』で我儘なオーナー役のD. ホフマンは、『パフューム』で香水の調合師として出演していた。

ストーリーは予想を裏切る展開!
如何に香りは人を虜にし、狂わせるのか?


嗚呼、映画ってホントにイイもんですね!


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スライド1 wrote by 玉下奴郎 ブログランキング・にほんブログ村へ ブログランキング

この記事へのコメント

- うさまゆ - 2015年03月29日 21:50:13

私も『シェフ』観ました!
ラテン系ノリの音楽も相性バッチリ、とにかくゴキゲンになれる映画でしたね。
観たあと自然に笑顔になれちゃう、お気に入りの一つになりました♪

- - 2015年03月30日 07:46:10

うさまゆさん

見終わって笑顔になれる。
確かにその通りですね。
料理映画で、ロード・ムービーでヒューマン・ストーリー。
惜しむらくはヒュー・ジャックマン達ちょい役の贅沢俳優陣がラストのハッピーエンドな場面にもいて欲しかった…。

まぁ、この辺りは友情出演のギャラの関係でしょう。


玉下奴郎拝

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