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「さよなら歌舞伎町」by 相田 冬ニ

これは実は発売されたばかりの小説。
しかも映画のノベライズである。




邦画業界はここ数年、シネコンの台頭と様々な割引制度によって、興行収益全体が右上がりらしい。
我々男性は恩恵がないが、女性は毎週水曜がレディス・ デイで新作を1,000円で観られる。
夫婦のどちらかが50歳以上だと、ペアで2,000円。
  ※これは1960+世代も有難い!
一人でも60歳以上だと1,000円だし、毎月1日も1,000円。
TOHOシネマズは毎月14日がトーフォーの日で1,000円。
劇場も空席に映画を観せるくらいなら、少しでも売り上げを上げたい訳だ。


話が逸れた…。
で、邦画が元気だと言っても観客動員が高いのは、
 ●ヒットシリーズの続編
 ●人気ドラマの映画化
 ●人気コミックの映画化
 ●人気小説の映画化
がほとんどという状況。
つまり映画のオリジナル作品は決して多くない。
出資をする側としても出来るだけ収益に対するリスクを抑えたいから、
自ずと不確定要素を排除する結果、オリジナル作品は嫌われる傾向にある。


そこで「さよなら歌舞伎町」に戻る。
これは前述の通り映画オリジナルのストーリーを小説にした。
しかも映画の公開前に刊行されている。
種明かしをすると仕事の絡みで読み始めたのだが、これが予想外に面白かった!
既にキャストが発表されていたので、このセリフは松重豊だとか、この動きは大森南朋だとか、
イメージしながら読めたのも良かった。

物語は、歌舞伎町にあるラブホテルの或る24時間を描いた群像劇。
部屋のひとつひとつに物語がある。様々な関係のカップルがいる。
従業員も同様に様々な事情でラブホテルに勤めている。

そんな登場人物のドラマが、緻密に計算されたシナリオで絡み合う。
これは本当に収穫だった。

終盤で出てくる印象的なセリフを紹介。
今の玉下に染みる言葉だ。

 どんな人生にも無駄はない。
 こっちから近づかなくても、近づいてくる「とき」がある。



【本日の一本】 映画『さよなら歌舞伎町』予告編



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スライド3  wrote by 玉下奴郎 ブログランキング・にほんブログ村へ ブログランキング

この記事へのコメント

- そよ風 - 2015年01月28日 10:45:18

こんにちは。
おもしろそうな本ですね。読んでみようかな。
その終盤のセリフ、私にも染みますねぇ。
映画館にはずっとご無沙汰ですよ。
若い頃、映画館で地震に遭遇しまして、
その怖さから足が遠のいておりますw

管理人のみ閲覧できます - - 2015年01月28日 12:37:29

このコメントは管理人のみ閲覧できます

- 玉下奴郎拝 - 2015年01月29日 02:30:32

そよ風さん

映画館で映画を観るのって、家でDVDやテレビを観るのと集中力が違う気がするんです。
ちなみに最近のシネコンは耐震構造がしっかりしてます。
その反動で懐かしい名画座が閉館してるんですが…。

玉下奴郎拝

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