fc2ブログ

『ルパン三世』vs『ヤッターマン』『キル・ビル』

原作が余りにもポピュラーな『ルパン三世』。
1974年には目黒祐樹がルパン三世で田中邦衛が次元を演じ映画化されている。
アニメの放映開始が1971年なので、これは極めて早い段階での実写化。
今でも一部のマニアにはカルト的な作品となっている。


一方、公開中の最新作は小栗旬を筆頭に浅野忠信や黒木メイサというと主役級のキャストを揃え、
ハリウッド並みにCGも多用したスケール感溢れる娯楽大作。
ルパン三世ポスター 公式HP

アニメを実写化した映画といえば、
木村拓哉の「宇宙戦艦ヤマト」や山下智久の「あしたのジョー」、
マニアックなところでは瑛太の「ワイルド7」など枚挙に暇がない。

その中でも原作をよりデフォルメして話題になったのが「ヤッターマン」だ。
櫻井翔を主役に据えたこの作品は、多作と守備範囲の広さで定評の三池崇史が監督。
現在は柴咲コウを主役にしたホラー映画「喰女」が公開されているが、
今年の前半ではアクション作品の「土竜の唄」が大ヒット。
一年中映画を製作している監督である。

ヤッターマン

「ヤッターマン」もコミカルな登場人物を見事に人気俳優陣に演じさせて大ヒットとなった。
櫻井翔のガンちゃん、福田沙紀のアイちゃん、ボヤッキーの生瀬勝久…。
そして秀逸なのはドロンジョ様の深田恭子。
グラマラスなスタイルにボンデージの衣装。
オファーを受けた深田恭子も立派である。

物語は元々ナンセンスなギャグの連続。
作品の魅力はアニメで展開されていた非現実的な世界を、
実写というリアルな映像で如何に表現するか…。
三池崇史は、辻褄や常識を無視して、ひたすらナンセンスな世界を作り上げた。
それも相当な製作費を費やしたクオリティの高いCGを駆使して映像化している。


人気アニメが実写化されるとファンの評価を得るのが難しいと言われる。
それはファンにとってキャラクターへの思い入れが強いため、
どの様なキャスティングでも原作の魅力を満たさないからである。
だがハリウッドでは「バットマン」「スパイダーマン」「X-MEN」「アイアンマン」など
アメコミの実写化は大ヒットしている。
またディズニーでも「眠れる森の美女」を実写化した「マレフィセント」がロングランである。
これらは「ヤッターマン」同様に原作のキャラクターを活かしつつ、
原作を離れたとしても一つの映画として単純に楽しめる作品となっているかが成否の分かれ目。
この点はベテラン三池崇史の力技である。


今回の『ルパン三世』の話題の一つに音楽がある。
「仁義なき戦い」のテーマを手掛けた布袋寅泰によるエッジのあるギター・サウンドは、
「仁義…」の深作監督を尊敬するタランティーノが自身の作品「キル・ビル」で大フィーチャーし、
布袋を世界的なギタリストへの仲間入りをさせた。
三池崇史もまた、タランティーノにとってフェイバリットな監督。
布袋の起用は三池からタランティーノへの回答だったかもしれない。




【本日の一曲】 「Battle without cause」 by 布袋寅泰

「Kill Bill」で使われて以降、多くの映画でこの曲が使われています。
このイントロが流れただけで、気分はいっきに戦闘モードになれます!


カテゴリー
スライド1 wrote by 玉下奴郎 ブログランキング・にほんブログ村へ ブログランキング

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

一九六丸

Author:一九六丸
書き手 1.玉下奴郎 2.ランシン
3.小李富(編集担当 旧名1961_TM)
3人合わせて一九六丸。
1960+世代の「暇つぶしのお供」が大好物。ゲスト寄稿も募集中!

1960+ YouTube List
Our Friends
最新コメント
ブロとも申請フォーム
1960+読者カウンター
カテゴリー
最新記事
月別アーカイブ
PR