西加奈子さんの「円卓」を読んで…。

文庫本をひょんなきっかけで偶然に手にした。
そういえば芦田愛菜ちゃん主演の映画の予告編は、何度か映画館で目にした覚えがある。

映画は実写作品ではあるが、セリフの一部がCGで空中を漂う。
その漂っている文字を芦田愛菜は認識していて、掴んだり振り払ったりしている。

そんな少しシュールでポップな映像表現を見ていて、真っ先に思い出したのが「嫌われ松子の一生」だった。

そして原作。短編小説「 円卓」。


予告編だけとはいえ映画のキャストを認識しての読書。
主演の小学生は原作で、美人だけど毒舌と位置づけらている。
口癖は「ウッサイ、ボケェ!」。
予告編でも愛菜ちゃんが連呼していたが、彼女は美人ではないのでこの台詞に違和感がない。

作家の西さんは美人で毒舌な小学三年生という、
ココロとカラダのアンバランスなギャップを描きたかったんだろう。
でも芦田愛菜の発する「ウッサイ、ボケェ!」は、余りにも自然だ。

おっとイケナイ。観ていない映画についてではなく、読了した原作に関するブログである。
話を戻します。

この物語は、前述の通り小学三年生の女の子の夏休みを挟んだ数ヶ月の話。
彼女の三つ子の美人姉妹な中学二年生のサイドストーリーも絡みます。

短編ながら瑞々しい題材を瑞々しい文体で綴るこの小説は、
もう最初の数ページで読者を小学校の教室や彼女の家にいる気にさせます。

貧しいながらも両親と父親の祖父母と三人の姉の八人で暮らす家には、
家族団欒を象徴する円卓で晩ご飯を食べます。

詳細は割愛しますが、此処で主人公や三人の姉に起きる様々な出来事は、
かつて誰もが通り過ぎた小学生や中学生の頃を思い出させます。
そう、親になったことがない読者はいても、小学生や中学生を体験していない読者はいない筈です。
※玉下は男子だったので受け止め方は異なりますが…。

これこそがこの小説の最大の魅力なんだと思います。

大阪が舞台だったり、貧しい大家族の設定だったり、
そこに更に赤ん坊の誕生が絡んで来たり、お妾さんの子供や在日の同級生が出て来たり…。
小説の骨組みに施される舞台装置には色々と仕掛けがありますが、
だからこそこの骨組みがシッカリ作られている必要があります。

偶然ですが前述の「嫌われ松子の一生」も、ジェットコースターの様な主人公の人生を描きながら、
それでもブレない軸があったからストーリーが縦横無地に展開出来ていました。

この「円卓」の主人公が、中学生になり高校になり、やがて社会に出てどの様に成長するのか?
是非、続編を読みたくなってしまいました!


【本日の一曲】 「おどるポンポコリン」 by BB クイーンズ


専門家の分析によると、
この曲のヒットの要因に“ピ~ヒャラ、ピ~ヒャラ”という擬音語があるそうです。
どんな分野でも結果を分析するのは楽ですよね。
その専門家がヒット曲を作れれば凄いんですが…。


そして全く意外な次の一冊は「点と線」by 松本清張!



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