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野のなななのか

しばらく前のブログで「野のなななのか」についても近々に紹介します…
なんて書いてからかなりの日数が経ちました。
ちなみにタイトルは、四十九日の事を意味しています。

野のなななのか (公式HP)

いきなりこのタイトルを見た人は、何のこっちゃいだと思います。
これは尾道三部作などで有名な岡林宣彦監督の最新映画なんです。

我々1960+世代には、この尾道三部作である「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」という作品が、
ちょうど気持ちは十代のつもりでも年齢は二十歳を超えた時の公開。
玉下にとっての最初の大林作品は、1977年に公開された「HOUSE」。
独特の色調と、当時は画期的だったCGを駆使して、
映画=非日常の世界という認識を持ち始めた頃です。
※「ツィゴイネルワイゼン」なんてのもありました。

その名匠がなんとインディーズ作品として今作を製作しています。
何しろ3時間の超大作。
そこらのシネコンだと観客の回転が悪すぎます。
( 6時間で三回上映出来るのに、二回転になってしまいます )
恐らく、メジャーの配給会社が関与していたら、
「先生、なんとか2時間強に編集してください」なんて、プロデューサーがニコニコとお願いするんでしょうね。

でも御年76歳の巨匠は、そういう妥協はしません。
そのかわりにメジャーの制作費が当てに出来ないから、身銭を切って制作費を捻出します。
道楽で映画を撮っているわけではないので、公開して利益が出なければ監督自身が借金を被る訳です。
ここにクリエイターなんて片仮名では伝わらない、職人としての覚悟が現れるんですね。

玉下が観たのは渋谷のミニ・シアター。
日曜日の昼間ですが、
駅から徒歩15分くらい離れていますが、
三時間の長丁場ですが
途中で休憩を挟まないですが、
それでも熱心なファンがたくさん来場していました。

物語自体は大林作品独特の、リアルな日常と虚構の非日常が入り混じる展開。
時代は現代と終戦直後が交錯しているので、更に複雑になります。

昔はこういう理屈では説明出来ないモノは苦手だったんですが、
高校の頃辺りから「2001年 宇宙の旅」や「ツィゴイネルワイゼン」、
音楽だとマイルスやコルトレーン、小説だと「変身」や安部公房とか。
背伸びをして無理矢理に飲み込んでいるうちに、好きになっていました。
まぁ、お酒や煙草も似たようなものですね。

ちっとも作品に触れていませんが、暗闇で三時間を映画鑑賞に没頭する。
それに値するだけの作品でした。
あっ、大好きな松重豊さんが出ているのも、観ようと思った大きな理由です!


【本日の一曲】 「時をかける少女」 by 原田知世


70年代が薬師丸ひろ子なら、80年代は彼女。
角川全盛期のヒット作 + ヒット曲ですね。


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スライド1 wrote by 玉下奴郎 ブログランキング・にほんブログ村へ ブログランキング

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