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感動したのは作ったヒト? それとも作ったモノ?

ソチ五輪を目前に控えて飛び込んできた二つのニュース。

ローザンヌ

かたやローザンヌでわずか17歳の日本人少年が優勝した朗報。
なんでも、小学生の頃に空手を習いに行こうと思ったら、
途中に好きな女の子が通っているバレエ教室があったから、ついバレエに惹かれたのがきっかけとか…。
果たしてその女の子はいま何をしているかは知らないが、人は知らないところで誰かの役に立っている。

閑話休題。もうひとつのニュース。
佐村河内氏の盗作騒ぎである。

佐村河

“作曲家”の肩書きの前に、“盲目の”“被爆二世の”と形容詞がついてしまう。
大きなサングラスと波打つ長髪で、ちょっと少女漫画のキャラ的な容貌。
アルバムはクラシック・ファン以外にも売れ、オリコンの総合チャートでも2位、18万枚の売れ行きだったという。

その彼の作品、なんと別人が作曲していたことが発覚した。
なぜ今? なぜそんなことが?
佐村河内-2

様々な疑問が沸き起こる中、発売元のレコード会社はCD回収を決め、
更には付録に彼のCDを封入していた某女性誌も、その号の発売を中止した。
まぁ、食品で言えば産地偽装みたいなもの?

玉下はクラシックは好きだけど、基本的に現代ものは手を出さない。
あっ、伊福部昭はちょっと例外ですが…。
なので能動的に彼の作品を聴いていない。
だからあくまでも門外漢として感じたこと。

感動した人は、彼が盲目の被爆二世だったから感動したの?
聴くきっかけはそうかもしれないけど、感動したりCDを購入したりコンサートへ行ったのは、音楽に対してではないの?
盲目なのにこんな曲が書けるのは凄いのか?
被爆二世だからこの旋律が浮かぶのか?
そういうこととなのかなぁ?

以前にテレビで長谷川きよしというシンガー・ソングライターが、
「僕は“盲目の”アーティストと呼ばれるのが大嫌いです。
 盲目だろうとなかろうと、純粋に僕の歌や声を評価して欲しい」

という様な事を語っていました。その通り。

小学生の頃にラジオやテレビで接した彼の曲や声に、玉下は何故か惹かれました。
テレビに出ていた時は大きなサングラスをしていましたが、当時は井上陽水や因幡晃や野坂昭如など、
盲目とは関係なく黒眼鏡の人がテレビに出ていたので、長谷川きよしもその類いと思っていました。
NHKで永六輔がやっていた「テレビファソラシド」では、
タモリと長谷川きよしが一緒に出演していて、違和感なくサングラス姿が並んでいた記憶もあります。

おっと、話がそれました。
どうやら佐村河内さんは曲のコンセプトを作曲家の方へ渡して、
その方が実際は曲を書き譜面を起こしていたらしいですね。
じゃあ、共作じゃん。
あるいはプロデューサーとディレクターとか、編集者と作家とか、そんな関係?
とにかく誰が書いたのであれ、感動に嘘はないはず。

精養軒のオムライスも、浅草橋の一新亭のオムライスも、美味しい感動に変わりはない。
ピカソの絵も幼稚園児の絵も、感動した気持ちには変わりはない。

…はずです。

産地偽装はその産地をブランドとして、美味しさ・安心・安全に価値があることへ裏切り。
作曲家の名前や形容詞もブランドなんだろうなぁ。
アイドルの口パク歌唱は、誰も責めないのになぁ。


【本日の一曲】 「別れのサンバ」by 長谷川きよし


近年のライブの映像です。
少なくとも、ここに彼が盲目であることは全く関係ない、声とメロディと詞とギターの演奏があります。
わずか19歳の時の作品。

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スライド6  wrote by 玉下奴郎 ブログランキング・にほんブログ村へ ブログランキング

この記事へのコメント

- 谷口冴 - 2014年02月09日 09:51:18

佐村河内氏の話は…
結局、ゴーストライターに甘んじることが
できなくなっただけなのかも?!

シラ~~ッとした意見ですみません<(_ _)>

- しょうが - 2014年02月10日 05:31:44

長谷川きよしさん、初めて聴きました。
ギターも声も色っぽくって、かっこいい〜!!
パーカッションの女の子もかっちょいぃ〜!!
次回日本へ行ったらCDを購入します♪ ご紹介下さってありがとうございます!!

モノ(アートでもPCでも食べ物でも)の評価というものは、売り出す時のマーケティング力の影響がかなり強いと思います。それに押されて(ノセラレて)、話題ばかりが先走るのは、アートの分野だとかなり悲しいと私は思います。

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