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さよならシネパトス

現存する日本の地下街としては上野駅地下鉄ストア(現・エチカフィット上野)に次ぐ
古い歴史を持つ銀座、三原橋の地下街。
その三原橋地下街の顔とも言える映画館が“シネパトス”でした。
パトス_看板

もともと別経営の「銀座地球座」「銀座名画座」として存在していた映画館が、
今から25年前の1988年7月に“シネパトス1・2・3”としてオープン。
劇場の地下を走る地下鉄日比谷線の走行音が、
客席で静かな場面を鑑賞しているときに限って聞こえたりするのがなんとも言えぬ味だったりする…。

新作映画からこだわりの名画まで、洋画・邦画を問わず上映されていた。
監督や俳優にもここの映画館を贔屓にする方が多く、
楽屋替りに映画館の向かいにある居酒屋さんで待機をして様々なトークショーも行われていた。
それを居酒屋のご主人は嬉しそうに客に教えてくれる。

そんな歴史がある映画館だが、地下街の耐震性に問題があることから3月末で閉館…。
あの311以降、様々な歴史的建造物が“耐震構造的に不適格”という理由で取り壊されているが、
この三原橋地下街も同様である。
で、玉下はこの地下街にある居酒屋もシネパトスも大好きだったので、
閉館間際の3月28日に最後のロードショー「インターミッション」を観に行きました。
じつは昨年末から公開されていた壇蜜さんの映画にも惹かれたんです。
パトス_poster-1

でも何となくこの映画館をテーマに製作されたという「インターミッション」をチョイス。

パトス_poster-2
実際は「えっ、まだ壇蜜の上映が続いていたんだ…。どうしよう?」って悩んだんですが…。

ここでは作品としての「インターミッション」に関する言及は避けます。
それは今回のブログの主旨ではないので、興味のある方は様々な映画批評サイトをご覧ください。
しいて言えば、子供の頃に元祖「ゴジラ(1954年版)」を今はなき日劇で観た時に、
ゴジラが我々が映画を見ている日劇を破壊するシーンがあって、
観客が声に出して「うわぁぁ」と叫んだんです。(大の大人が無邪気ですね!)
そんな作品と見ている観客の一体感が味わえる作品が「インターミッション」です。
こんな解説じゃ、なんのこっちゃわからんですよね(^_^;)

映画館の外にはシネパトスにゆかりのある監督や俳優さんや文化人のサイン色紙が並んでいました。
枚挙に暇がないくらいの膨大な数と人脈の広さ。
上映開始時刻を待つ人や通りがかった人々がみんな写真を撮っていました。
以前にランシンさんが紹介していた「あばしり一家」や「デビルマン」の作者、永井豪さんの色紙もあります。
色紙_永井

で、またまた壇蜜さん。
この人、なんだか凄く頭が良い人な気がしました。
色紙_壇

シネコンは便利で、低下の一途だった日本の映画鑑賞人口を上向きにしたと言われています。
でもこういう全国200館で上映決定!ではない面白い作品をピックアップする劇場も、文化的には不可欠なんですが…。
岩波ホールの総支配人だった高野悦子さんも2月に亡くなってしまったし、シネパトスは復活するのかなぁ…?

そういえば東急渋谷駅の跡地は広大なユニクロになっていて、ホームを歩けるんですよね。
渋谷_ユニクロ

三原橋も有効活用する企業が名乗り出てくれれば嬉しいです!


  wrote by 玉下奴郎

ちなみに玉下が「ゴジラ」を観たのはリバイバル上映です。
1960年生まれですので…。

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