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言葉の本質 飲食店編

僕が片隅に属している(?)業界では、独特の言葉がある。
例えば、「シータク」「シーメー」。
シーメーは、ギロッポンにシータクで。

みなさんもこれくらいならわかりますね。
「六本木までタクシーで食事に行きましょう」という感じです。
とんねるずがテレビで連発したことで一気に広まったとか、そうでないとか。

まぁ、この業界言葉はあまり美しくないので、飲食店でのお話。
みなさんは帰り際に何と言いますか?
まさか「おあいそ!」と言ってはいないでしょうね・・・

「おあいそ」というのは、ネットで検索すると
お店側が「お愛想がなくて申し訳ありません」とへりくだりながらお勘定書きを出したことに由来するとある。

でも僕が大学時代、バイトをしていた寿司屋の親父さんから聞いたことはちょっと違った。

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日本人は直接な物言いを嫌う気質があって、そういう言葉は
店主が奉公人(店員)にお客様へのサービスを「わからないように」指示するためにあるんだよ。
未熟な奉公人には指示をしなくちゃいけないが、それをお客様にわかるように言ってしまっては
せっかくお食事を楽しんでいただいているお客様に失礼だろ?
それが、野暮ってもんだ。
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例えば寿司屋の醤油は「むらさき」と言う。
「おーい、むらさき!」とオヤジが言うときは、
「お客様の醤油が切れそうだから、新しい醤油さしに代えなさい」という指示。

「おーい、あがり一丁!」と言うときは、
「お客様は食事が終わりになるからお茶をお出しして」ということ。

で、「おあいそ」。
まだお客商売に慣れていない店員(または丁稚)に
「ちゃんと、ありがとうございました。またお越しください。というようにお客様にお礼を言うんだよ。」という教え。
つまりこの場合のお愛想は、媚びるということではない。
しっかりとお客様に感謝の気持ちを伝えようという意味なのだ。

うーん、日本語って、いいねぇ。粋だねぇ。
これを「メイドインジャパン」と言ってしまったら、こじつけが過ぎるかもしれないけど、
日本人の美徳を感じるなぁ。

だから決して、お勘定をしてもらう僕たちが「おあいそ」と言ってはいけない。
それは、「感謝して、お愛想を言え」とお客である自分から強要していることになるのだから。


先日、とある有名な回転寿司に行った。
タッチパネルで注文できる最新鋭のシステムがあったのだが、
会計のボタンが「おあいそ」と表記されていて、
そのボタンを押すと店員さんが飛んできて(店員&アルバイト教育がしっかりしているんだなぁ)
元気な声で、
「お待たせしました! おあいそで、よろしいでしょうか」・・・とほほ・・・


  wrote by 1961_TM
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この記事へのコメント

- ミニチ - 2013年02月23日 09:06:43

笑ってしまいました。

- お夕 - 2013年02月23日 09:38:26

初めまして。
訪問者リストから、参りました。
拙ブログに、お立ち寄りいただいたようで、ありがとうございました。

業界言葉って、その中にドップリつかっていると気付きませんが、おかしなものがたくさんありますね。
就職したら、まずそれから覚えなくちゃいけない。

この春、面食らう若者がたくさんいるでしょうね。

- ゆきじょ。 - 2013年02月23日 10:20:43

おはようございます。

おあいそ は全く使いません。
いつもは お会計 と言います。

業界用語は
その業界の中でだけ使ってください。と、思います。
でないと、それを知らない人には失礼になると思います。
もちろん
それを使われたら不愉快です。
私のいる業界での言葉も外では使いません。

知ったかぶりの人
大嫌いです。。

実は私も… - びとら - 2013年02月23日 16:40:01

以前は、何も考えずに「おあいそ!」と言っていました。

どこかで意味を知ってからは、「お勘定!」に変えました(笑

- 一九六丸 - 2013年02月23日 17:21:44

ミンチさん、お夕さん、ゆきじょ。さん、びとらさん、
コメントありがとうございました。
業界用語、おもしろいですよね。
「おあいそ」だけは使わないようにしましょう!(笑)

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