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「贈る言葉」 伊集院 静

今年の成人の日の雑感として玉下さんが、
当日のサントリーの新聞広告で
“君たちがうつむき加減のこの国を変え欲しい”と語った伊集院さんのメッセージを取り上げていた。

『贈る言葉』はその伊集院さんの2000年からの成人の日、
新社会人の入社の日に掲載されたメッセージの集大成を書籍化したもの。


君の胸の中に一本の木はあるか

ではじまるこの本は、20才になった、また新社会人になった若者への10年におよぶメッセージではあるが、
50を過ぎた我々1960+世代にも新鮮なメッセージとして受け止められる。
考えてみれば、成人も、社会人もその日からずっとあたりまえに続いていることだ。
その日から30数年が経った今も、この社会で生きている、社会人そのものだ。

例えば、2011年の成人の日に掲載されたメッセージは

風の中に立ちなさい。  と題して、

(前半省略)
まずは、ケータイをおきなさい。インターネットを閉じなさい。テレビを消しなさい。
パスポートを取得して、一番安い乗り物ですぐに日本を発ちなさい。
目的地は?どこだっていい。
この国以外の風の中に立ちなさい。
世界を自分の目から見ることをはじめなさい。
そこにはきみがインターネットやテレビで見たものとまったく違う世界がある。
目でみたすべてをどんどん身体の中に入れなさい。
そこに生きる人が何を食べ、何を見つめ、何を喜び、何のために汗をかき、なぜ泣いているかを見なさい。
ともに食べ、ともに笑い泣きなさい。それだけで十分だ。でもラクな日々ではないぞ。
苦しい中にこそ本物はあるんだ。
やがて帰る日が来た時、君は半分、大人になっている。
その時こそ、本当の大人への祝杯を挙げよう。


実はこの『贈る言葉』の本にはエピソードがあるようだ。
昨年の年の瀬に、伊集院さんは友人を亡くされている。
その友人の方は、高校からの同級生、自慢の友人で、自身の故郷で印刷会社を経営されていた。
その方が生前、余命3ヶ月との宣告を受けられた頃、
伊集院さんとの電話の会話で、思い残すことはないかの問いに、
死ぬ前に友人である伊集院さんの本を出版したいと言われたそうだ。
そんな経緯もあって、昨年この本が世に出たということらしい。
  (この本の最後に企画プロデュース大村俊夫 印刷所大村印刷株式会社とある。)
伊集院さんにとって、この『贈る言葉』はまた、この友人の方への贈る言葉だったに違いない。
そんな伊集院さんが以下のメッセージもまた発してる。

人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きてる。


なんとも1960+世代とって、響く言葉だ。


  wrote by ランシン

【本日の記録】 体重75.6kg 血圧:上146 下104

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