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カッコよさと美しさ・・・『麒麟の翼』で思ったこと

年末年始に撮り溜めていた映画で印象に残ったのが『麒麟の翼』。

東野圭吾原作、加賀恭一郎シリーズ第9作目が映画化されたのはご存じの通り。
映画評はいまさらだからやめておくが、
驚いたのが日本橋の翼をもった麒麟像だった。(これもいまさら驚いたのかと言われるけど)

その麒麟像については、東京都公文書館の
【日本橋の麒麟(きりん)像-当館ホームページのロゴ画像について】がわかりやすかった。

耐久性の観点から石造りの橋となった日本橋の装飾として採用されたのがこの麒麟像だ。
日本橋麒麟像

材料は青銅、西洋と日本を融合させた和洋折衷のデザインというが、
麒麟は想像上の生き物だし、そのうえさらに翼まで生やしてしまっている。
出来栄えは素人の僕からみても、荘厳で美しい。
芸術性や職人としての技術力とともに、その遊び心とも言える、想像力、創造力に驚く。
そしてそれを許可した当時の「官」(たぶん旧東京市)に感服する。

現代だったらどうだろう。
コンペでできるだけ安く仕上げる業者を選定し、費用対効果を追求するのが当然のいま、
おそらく却下されたのではなかろうか。

経済的に余裕がないと遊び心は育ちにくい。

例えば、東京ゲートブリッジ。
技術の粋が集められ、デザイン的にも恐竜橋とも呼ばれるその容姿は、
「カッコいい」と言えなくはないが、僕には「美しく」はみえない。

東京スカイツリーもまた「カッコいい」のかもしれないが
東京タワーの「美しさ」には遠く及ばない。

日本橋と東京ゲートブリッジ。東京タワーと東京スカイツリー。
後世まで愛され、語り継がれるのはどっち? 答えが明らかと思うのは僕だけ?


アベノミクスによって「公共事業の大盤振る舞い」が始まる。
景気は回復してほしいけど、おそらく「美しさ」は育たない。
育つとしても、それは日本が本当に再生してからの話だろう。
僕たちは、その姿をみることができるのだろうか。


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この記事へのコメント

- イーグルス16 - 2013年01月13日 06:58:32

経済浮揚策と同時に、“教育”への取り組みが必須ですが、安倍政権のブレーンには“教育”に造詣の深い人間がいないようです。
第一次安倍政権時代、“教師の質の向上”をかかげて、教員免許の更新制が導入されました。
この制度は滅茶苦茶です。
今は、単に教員から研修費用として三万円を巻き上げ、講座を開講している大学等の収入を保証しているに過ぎません。
研修内容は、無意味。
三十時間を教員から取り上げている分だけ、現場にしわ寄せが来ています。
免許更新制などという付け焼刃ではどうにもならないところに来ていることが、わかっていないように思えます。

- そふぃーおばさん - 2013年01月13日 21:42:57

こんばんは♪

日本橋と東京ゲートブリッジ。東京タワーと東京スカイツリー。
後世まで愛され、語り継がれるのはどっち? 答えが明らかと思うのは僕だけ?
   ↑
私にもその答えは明らかです。
迷うこともなく即答できますね(笑)

明治時代に建てられた建物も美しい!!
東京駅も迎賓館も・・・

- 一九六丸 - 2013年01月13日 21:56:07

イーグルス16さん、ありがとうございます。
大学受験目前の娘は教員志望。
教員免許の更新制・・・知りませんでした・・・あわわ、です。

そふぃーおばさんさん、ありがとうございます。
僕たちの感覚は、単なる懐古趣味ではないですよね。
美しさが失われていくのを時代のせいだけとは思いたくないなぁ・・・

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